塗装はNG?フロントフォークのカラーリング方法を解説|ゴールド・黒
フロントフォークの塗装・カラーリング方法について調べていませんか?
フロントフォークを自分好みにカラーカスタムできたら、より素敵なバイクになること間違いなしですよね。
でも実はフロントフォークのカラーカスタムには、塗装ができないパーツがあったり、塗装以外にも選べる方法があったりと、注意点や知っておくとその幅が広がるポイントがあります。
そこでこの記事では、パーツごとに選べるカラーリング方法やその費用やメリット・デメリットなどを解説していきます。
「インナーチューブをゴールドにしたい」
「費用をおさえつつアウターチューブを艶のあるブラックに仕上げたい」
などフロントフォークのカラーリングを考えている人におすすめの記事になっています。
この記事を読んでもらえると、どのカラーリング方法があなたに合っているか分かるようになると思います。
是非最後まで読んでいただき、参考にみて下さい。
目次
1.フロントフォークのカラーリング方法まとめ
まずは、カラーリング方法ごとにパーツ別の利用できる方法やその費用、さらにフロントフォークの分解が必要なのかをまとめてみました。
フロントフォークをカラーリングする場合の代表的なパーツは、インナーチューブとアウターチューブなので、パーツはこの2種類としています。
カラーリング方法や費用をまとめて比較したい方は、下の表を参考にしてください。
メタルコーティング | 塗装 | アルマイト加工 | メッキ | |
---|---|---|---|---|
インナーチューブ | ◎ | NG | NG | ◎ |
アウターチューブ | ◎ | ◎ | ◎ | ◎ |
カラーバリエーション | 少ない | 豊富 | 少ない | シルバーのみ |
費用(1本) | 4万円~ | 7千円~ | 1万円~ | 2万円~ |
フロントフォークの分解 | 必要 | 不要な場合もある | 必要 | 必要 |
例えば、インナーチューブをカラーリングする場合は、メタルコーティングかメッキに限ります。
そして、いずれの方法でも業者にインナーチューブ単体で引き渡すため、フロントフォークの分解や組み立てに対する費用が発生します。
(分解や組み立ての費用については、「4.1分解と組み立て費用」のパーツで解説)
他方、アウターチューブのカラーリングには塗装やアルマイト加工など様々な方法が利用できます。
そして、これらの費用はインナーチューブのカラーリングと比べると割安で行えます。また、配色のバリエーションも豊富であるなどの特徴もあります。
続いての記事で、カラーリング方法の費用やメリット・デメリットなどより詳しく解説していきます。
2.インナーチューブのカラーリング方法
利用できるカラーリング方法
- メタルコーティング
- メッキ
フロントフォークのインナーチューブには表面の強さが求められるので、カラーリング方法が限られます。
これはインナーチューブが、ダンパーを構成する部材の一つであるオイルや、オイル漏れを防ぐためのオイルシールに接していることが理由です。
例えば、インナーチューブを塗装すると、塗装するための塗料にはオイルに溶け出す成分むため、フロントフォークの動作中に溶け出してしまい、塗装が剥がれたり、オイルを汚してしまいます。
従って塗装は不向きで、オイルに溶け出さずオイルシールとの摩擦にも強いメタルコーティングやメッキが利用されるメインのカラーリングになります。
ここでは、メタルコーティングについてや特徴、さらには注意点などを説明します。
2-1.メタルコーティング
フロントフォークのメタルメタルコーティングは、金属の薄膜をメッキ加工されている母材の上に成膜することです。
この金属の皮膜は、様々な金属で構成ができるので、構成している金属や比率を変えてカラー(色合い)を調整しています。
そして、この皮膜はオイルに溶けにくく摩擦にも強いので、インナーチューブのカラーリングとして利用されています。
続いて、メタルコーティングをおすすめしたい人やこのカラーリングの特徴、さらにはデメリットを説明します。
2-1-1.おすすめしたい人
メタルコーティングは、1本4万以上かかる高額なカスタムです。
でもこの高額のカスタムに向いている人もいます。 どのような人がコーティングに向いているかあげてみました。
インナーチューブのメタルコーティングをおすすめした人
- 他のバイクと差別化したい人
- フロントフォークの摺動性の改善を感じたい人
- 車体のカラーとの兼ね合いで、インナーチューブをカラーリングしたい人
まず初めに他のバイクと差別化したい人にはこのカラーリング方法は向いています。
なぜならば、高額な費用がかかるので、デフォルトのカラーや規格品がある場合を除き、この方法でカラーリングする人は少なく、他のバイクとの差別化は間違いありません。
続いて、フロントフォークの摺動性を改善し、バイクの走行をより楽しみたい人にもおすすめです。
摺動性とは、素材表面の滑らかさのことで、コーティングは、インナーチューブの摺動性(表面の平坦性)を高めます。
そのため、インナーチューブがより滑らかにうごき、フロントフォークが柔らかくなることが期待できます。
ただ、フロントフォークの柔らかさはオイルの粘度やバネの特性でも改善できるので、コーティングでの効果は感じづらい可能性もあります。
→フロントフォークの硬さ調整など調整方法や効果については、「フロントフォークのサスペンション調整の方法とは?方法別に効果を解説」で取り上げています。
良かったら、カラーリングと一緒に参考にしてみて下さい。
2-1-2.色合い-ゴールドや黒
色合いは、皮膜する金属の種類によって変わってきます。カラーは、ゴールド、ブラック、パープルや虹色などがあります。
人気のあるゴールドは、主にチタンコーティングで、ブラックはチタンとアルミニウムの合金をコーティングすることでインナーチューブがカラーリングされます。
後述するようにコーティングは高価で、写真での色合いは実物とは異なる場合もあるので、実際の出来上がりなどは詳しく相談すると良いでしょう。
2-1-3.費用
メタルコーティングの費用は、1本あたり4万円~となっています。
これは、コーティングのみの費用で、アウターチューブ(ガスケット)のメタリック塗装が1本1万円~となっているので、約4倍の値段です。
また、これは新品や再生品など損傷などがない状態での加工賃で、もし中古品で錆や損傷がある場合は、再生(再メッキ)の費用が加わってきます。
2-1-4.特長
本物のメタリック外観
まずは本物のメタリックな外観であることが特徴の一つです。
金属皮膜をコーティングするので、金属自体が持っているメタリックな外観がそのまま転写されるからです。
一方で、後に説明するメタリック塗装は反射するアルミ粒子を表面に塗ることで、光沢を持たせています。
しかしながら、厳密にはメタリック塗装の光沢や輝度は金属皮膜のそれに比べて劣るため、容易に見分けることができます。
メタルコーティングは、本物のメタリックな見た目にしたい人におすすめのカラーリング方法です。
耐摩耗性の向上
チタンでコーテイングすることで、硬度および耐摩耗性が向上します。
チタンは、幅広いパーツに利用されている硬質クロムメッキよりも約3倍ほど硬度が高く、より傷などがつきにくい特性を有しています。
走行中の飛石などでも傷つきやすいインナーチューブに向いているコーティング方法ですね。
フロントフォークの衝撃・振動吸収能力の向上
フロントフォークのサスペンション性能を高めるのも特徴の一つです。
コーティングを施すことで、インナーチューブ表面の平坦性が高まり、その結果、アウターチューブの中をよりスムーズに動けるようになるからです。
フロントフォークは、インナーチューブが動くことで、バイク走行中の振動を吸収してくれるので、コーティングは結果的にサスペンション性能を高めることに繋がります。
2-1-5.デメリット
高価である
まず初めにカラーコーティングは、非常に高価です。
理由としては、専用の設備が必要で、コーティングする材料費や工賃が必要になるからです。
塗装によるアウターチューブのメタリックカラーリングでも1本1万円~となっているのに対し、4万円~と約4倍ほど高価です。
高額なために手の出しづらいカラーリングにはなりますね。
新品あるいは再生品が必要
続いてのデメリットとしては、新品あるいは再生品を必要とすることです。
ここでの新品・再生品とは、サビやキズがないインナーチューブを言います。
高温・高電圧のきびしい環境の下で、メタル皮膜をインナーチューブにコーティングするからです。
サビやキズがあると、破損やメタル皮膜が上手く生成しないなどの不具合がおこるため、断られてしまいます。
したがって、新品や再生品を用意する必要があり、中古品にメタルコーティングする場合は、事前に再メッキが必要になってきます。
→インナーチューブの再メッキに関する工程や基礎知識などに関しては、「インナーチューブの再メッキとは?」の記事に詳しく解説しています。
インナーチューブの再メッキに興味がある方は是非読んでみて下さい。
時間がかかる
続いては、時間がかかることです。
メタルコーティングを行なっている業者は、主に大ロット・量産品の製造を主に手掛けています。
そのため、突発的な工作依頼に関しては、材料の手配や製造ラインの調整などで時間がかかります。
一般的には4週間程度が目安になっていますが、余裕を持ったスケジュールで依頼するのが良いでしょう。
他にもコーティングのデメリットとして、業者を探すことが大変であったり、インナーチューブを剥き出しにして走行するため、補修頻度が上がってしまうなどが考えられます。
このようなデメリットを念頭に入れておくと、加工後の後悔がないと思います。
3.アウターチューブのカラーリング方法
続いて、アウターチューブのカラーリング方法について解説していきたいと思います。
アウターチューブの外側は、主に大気や水分にさらされるだけなので、表面の高い耐性を求められるインナーチューブと違い、いくつかのカラーリング方法があります。
アウターチューブのカラーリング方法
- 塗装
- メタルコーティング
- アルマイト加工
- メッキ
ここでは、メタルコーティング以外にアウターチューブのカラーリング方法の費用や特長そしてデメリットを解説するので、あなたにあった方法をえらぶ時の参考にして下さい。
3-1.塗装
まずは、塗装によるカラーリング方法になります。
塗装は、バイクだけでなく、車や建物そして日用品までありとあらゆる所に使用されていますね。
この汎用性の高さからアウターチューブでも最も一般的なカラーリング方法になります。
また、塗装には業者で行える粉体塗装(パウダーコーティング)やガンコート、そしてDIYでもスプレー缶や刷毛を使ってできますね。
最近では、様々な塗装手法が開発されています。
「バイクタンクのデザインと塗装方法とは?」の記事に、タンクを中心に様々な塗装手法を紹介しました。
もし、塗装の手法について詳しく知りたい人は、参考にしてください。
3-1-1.おすすめしたい人
塗装は、最もカンタンで一般的に知られている方法になので、一番初めにあがる選択肢ですね。
そんなアウターチューブの塗装におすすめな人を、いくつか挙げたいと思います。
アウターチューブのカラーリングで塗装をおすすめしたい人
- デフォルトのアウターチューブカラーに満足できない人
- アウターチューブの劣化が気になる人
まずは、カラーリングの第一の選択肢になるので、どんな人でもマッチする方法になりますが、デフォルトのカラーに満足できない人をあげたいと思います。
例えば、デフォルトがメッキでギラギラした感をシックな感じにしたい人には、ブラックにアウターチューブを塗装するでけでもバイク全体の印象が引き締まって見えます。
続いては、アウターチューブのサビなどの劣化が気になる人にもおすすめです。
塗装を行う前に研磨などで錆び取りや補修などの下地処理をし、塗装で仕上げるので、新品同様に蘇ります。
古びたアウターチューブの劣化が気になる人もぜひ塗装を試してください。
3-1-2.色合い
塗装を塗料を調合することで、微妙なカラーも調整できるのが、特長の一つです。
そして、塗装業者に依頼すれば、色調の他にソリッドやメタリックなども選べたりします。
では、そのソリッドやメタリックはどういった意味なのでしょうか?ここで解説したいと思います。
ソリッド塗装(ブラック)
ソリッドとは単色のカラーを示します。
アウターチューブを黒にカラーリングしたい場合は、ソリッド塗装を指定しましょう。
またソリッド塗装は、黒や赤や青など豊富なカラーバリエーションがあり、これらは塗料の組み合わせで繊細に調整できます。
好みの色合いに仕上げてもらうためにも、見本を見ながら塗装屋さんやバイク屋さんに相談すると良いでしょう。
なお、ソリッド塗装は、主に下地層、ベース色層、クリア層の3層構造で、クリア層が艶を出していて、多くの業者では艶消し加工も受け付けています。
メタリック塗装(ゴールド)
メタリックは、通称メッキ調塗装とも言われ、メッキや金属を彷彿とさせるキラキラとした外観が特徴です。
アウターチューブをゴールドにカラーリングしたい方はこの方法になります。
メタリック塗装は、下地層、ベース層、光輝層、クリア層からなり、光輝層にキラキラ光る成分であるアルミ粒子を含んでいるため、キラキラした外観になります。
例えば、黄色の塗料にアルミ粒子を混ぜてゴールドを表現したり、灰色の塗料にアルミ粒子を混ぜて、シルバーにします。
他にもコーティングでは実現できない輝く青色や赤色などもできたりします。
3-1-3.費用
業者に任せた場合の費用は、
・ソリッド塗装(1本):7,000円~
・メタリック塗装(1本):10,000円~
となっています。
また、スプレー缶だけ購入して、簡易的にDIYする場合は、スプレー缶1本で2,000円程度なので、簡単に手を出せそうですね。
他のカラーリング方法と比べても安価にできる点がメリットになりますね。
3-1-4.特長
続いて、塗装の特長を紹介していきたいと思います。
特に、コーティングとの比較して、どのようなメリットがあるか説明していきたいと思います。
DIYできる
塗装は、業者に依頼するだけでなく、自分でDIYでもできます。
塗料はじめクリア塗料やマスキングテープなどの資材だけでなく、ハケなどもホームセンターやネットで購入できるためです。
一方で、コーティングは高価な専用設備が必要になってくるので、業者に依頼するしかありません。
DIYでバイクパーツのカスタムを楽しみたい人は、是非チャレンジして下さい。
カラーバリエーションが豊富
上述のコーティングと比較して、黄色・赤色・青色・緑色などカラーバリエーションが豊富なのもメリットの一つです。
塗装の色調は、色を組み合わせてできるので、数多くのカラーバリエーションが可能です。
一方で、メタルコーティングの色調は、成膜する金属に依存するため、限りがあります。
従って、豊富なカラーバリエーションも塗装のメリットの一つですね。
デザインの自由度がある
塗装の特徴として、デザインの自由度が高いことも挙げられます。
マスキングテープや刷毛を活用して、簡単に好みのデザインにできるからです。
例えば、メーカー名や好みのラインなども自由に描けたりできます。
コーティングの補修は部分的な補修ができないのに対し、塗装は塗るだけなので、一部分だけを補修できるのもメリットにあげられます。
3-1-3.デメリット
続いて、デメリットについても紹介していきたいと思います。
メリットと同じようにデメリットもメタルコーティングと比較してみました。
本物の金属光沢ではない
メタリック塗装は本物の金属光沢とは異なる点がデメリットに挙げられます。
金属は光を全て反射するのに対し、メタリック塗装は含まれている金属粒子で反射します。
この反射する強さが金属と比べて劣るため、光沢や輝度は金属に劣ってきます。
例えば、特に日陰や夜間の暗い中では、ゴールドのメタリック塗装はゴールドよりも黄色に近かったりします。
このようにメタリック塗装の場合は、メタルコーティングよりも光沢が劣っている点がデメリットと言えます。
耐久性が比較的低い
コーティングと比較すると耐久性は劣ります。
コーティングのサビや劣化に強い金属の皮膜は、塗装の上層部よりもオイルだけでなく、雨に対してもより高い耐性を持っているからです。
そのため、劣化が進むと塗装の剥がれなどが問題になってきます。
3-2.アルマイト加工
アルマイト加工も、アウターチューブのカラーリングの選択肢の一つです。
アルマイト加工は、下地がアルミの場合にのみ行える表面処理です。
そして多くのアウターチューブが、アルミを素材に採用しているため、利用できるカラーリングの方法の一つになります。
ここでもアルマイト加工の色調や費用そしてメリットなどを紹介します。
3-2-1.おすすめしたい人
アウターチューブのカラーリング方法は、コスト面や汎用性の高さから塗装が第一の選択になり得るでしょう。
でも中には、アルマイト加工をおすすめしたい人もいます。
どのような人かあげてみました。
アウターチューブのカラーリングでアルマイト加工をおすすめしたい人
- 塗装とは違う質感や光沢にしたい人
- アウターチューブの着色加工が薄れてしまった人
まずは、塗装とは違う質感や光沢でカラーリングしたい人です。
塗装の表面は主に樹脂で覆われていますが、アルマイトの表面は、アルミ酸化物になります。
それにより表面の質感や光沢は異なるので、アルマイトの質感に拘りたい方はこのカラーリング方法がおすすめです。
そして、既成のカラーが着色アルマイトで、退色したアウターチューブにもおすすめです。
再度着色アルマイトでカラーリングすることで、購入当時の色合いが蘇るので、レストアに興味があれば、是非アルマイトでの着色を行いましょう。
3-2-2.色合い
アルマイト加工でも、好みの色調にカラーリングできます。
これは、アルマイト加工で生成した皮膜が様々な染料を取り込める性質をもっているためです。
例えば、黒色にアウターチューブを染色したい場合は、黒色の染料を加工時に使用することで、カラーリングできます。
また、多くの業者では加工で艶を出せたり消せたりもできるので、ゴールドなど金属色にカラーリングしたい場合は、艶についても業者と相談すると良いでしょう。
一方で、塗装とは異なり選べるカラーが限られているので、塗装ほどの繊細なカラーリングは難しくなります。
3-2-3.費用
アルマイト加工の費用ですが、1本10,000円~が目安です。
これは、材料費だけでなく加工賃も含まれています。
また、加工はアウターチューブを取り外して送る必要があるので、フロントフォークを分解する費用も別途かかってきます。
3-2-4.特長
高耐性
アルマイト加工することで、通常のアルミニウムよりも腐食性が高まります。
アルミニウムは、空気に曝されることで薄い酸化膜を表面に形成し、その酸化膜により腐食を防ぎます。
一方で、アルマイト加工は人工的にその酸化膜を形成させますが、自然にできる皮膜よりも厚くできるので、腐食性がより向上します。
従って、通常のアルミ素材よりも高い腐食性を有している点がメリットになります。
高硬度
表面がより硬くなり摩耗性が高まるのもメリットの一つです。
硬質アルマイト加工することで、純アルミと比較して約15倍程度硬度が高まります。
これは、汎用的に利用されているニッケルメッキやすず・コバルトメッキとほぼ同程度の硬度になります。
そのため、アルマイト加工することで、小さな傷などが付きにくくなるのもメリットの一つですね。
アルミ酸化膜特有の質感・光沢
アルマイト加工の特徴の一つとして、金属酸化膜特有の表面の質感や光沢を有していることです。
上述のようにアルマイト加工により表面はアルミ酸化膜になります。
一方で、塗装した後の表面は樹脂などの有機物で覆われています。
この違いにより独自の質感や色合いを有します。
3-2-5.デメリット
耐熱性に劣る
耐熱性の低さがデメリットの一つです。
アルマイト処理した表面は、100℃程度の高温になるとクラックが生じることが知られています。
バイク前面にあって直射日光が当たるフロントフォークは高温になりやすので、夏場は特に注意が必要です。
退色しやすい
色落ちのしやすさもデメリットの一つです。
染料を用いてカラーリングするアルマイトですが、その染料が紫外線や水分などで分解するため、色落ちが問題になります。
対策として、退色を緩やかにするために、最初に濃くカラーリングしておくことが推奨されています。
DIYができない
塗装とは異なり、DIYできないのもデメリットの一つです。
アルマイト加工は、特別な設備が必要になるため、専門の業者で加工を行えます。
安く抑えたい人やカラーリングも自分で行いたい人にとってはデメリットですね。
3-3.メッキ
メッキとはアウターチューブなどの母材の表面に金属皮膜を形成する方法です。
古代からメッキ技術は用いられており、汎用な技術となっています。
バイクパーツに多く利用されているのがクロムメッキで、カラーはシルバーとなります。
金属の皮膜で覆うため、メッキ調塗装より反射するので、よりキラキラしたメタリックな外観になります。
3-3-1.おすすめしたい人
他のカラーリングと比べて、シルバー一択になってしまうメッキでは、どのような人におすすめなのかこれもいくつか挙げてみたいと思います。
アウターチューブにメッキ加工をおすすめしたい人
- 黒く塗装されたアウターチューブをキラキラの外観に変えたい人
- アルミのアウターチューブの研磨頻度を抑えたい人
まず初めに、黒く塗装されたアウターチューブをキラキラの外観に変えたい人が挙げられます。
メタリックな外観は、人の目をひきますので、アウターチューブをクロムメッキに変えると差別化できますね。
続いて、アルミのアウターチューブの研磨頻度をへらしたい人にもおすすめです。
アルミでできていることが多いアウターチューブですが、アルミは研磨することで、独特の輝きを放ちます。
ただ、この輝きもアルミが比較的柔らかいためにすぐにくすんできてしまい、綺麗な表面を保つには高い頻度で研磨する必要があります。
一方で、クロムメッキはより高い硬度を有していて、傷がつきにくくなるため、磨きの頻度を減らすことができます。
アウターチューブの研磨頻度をへらしたい人にもクロムメッキはおすすめです。
3-3-2.色合い
クロムメッキがバイクパーツに主に利用されるメッキ方法で、このカラーはシルバーです。
金や銅などのメッキ種もあり、それぞれ特有の色合いがありますが、耐性面やコスト面で劣るので、一般的ではありません。
そして、メッキに利用されるクロムは他の金属と同じようによく反射します。
しかし、綺麗に研磨して磨かないとザラザラした表面のままで、鏡面のような輝きはありません。
しかしながら、メッキ加工業者で鏡面磨きも含めて加工を行なってくれるので、メッキ独特のキラキラした鏡のような外観がえられます。
3-3-3.費用
塗装よりも高いですが、コーティングよりも低い費用で加工できます。
1本あたり2万円~となっているので、シルバーのメタリック塗装と比較すると約2倍ほどコストがかかってきます。
ただ、いくつかカラーが選べるコーティングは4万円~なので、それよりも費用は抑えられます。
また、比較的高額なフロントフォークのメッキ費用ですが、費用をおさえる方法があります。
例えば、バイクショップに相見積もりを取ったり、直接メッキ加工業者に依頼したりすると費用が抑えられます。
→詳しくは「フロントフォークの再メッキ費用を抑えるコツとは?」の記事で解説していますので、ご興味がありましたら、是非お読み下さい。
3-2-4.特長
本物の金属光沢
やはり本物の金属光沢を持った外観が得られるのが、最大のメリットになります。
メッキ調塗装のシルバーは、反射がそれほどないので、どうしてもメッキのメタリックな外観には劣ります。
例えば、光が弱い暗い場所では顕著で、シルバーに光るメッキはメタリックな外観が視認できますが、シルバーのメッキ調塗装場合は、灰色に見えます。
本物のギラついた光沢を取り入れたい方はメッキがおすすめです。
高い耐性
メッキは防水耐性など雨や風などに対して強い耐性を持っています。
そのため、長持ちする点やメンテナンスの頻度が少ないのも、メッキのメリットの一つです。
アルミのアウターチューブの汚れが気になる方や研磨の時間を省きたい人におすすめです。
3-2-5.デメリット
DIYできない
塗装とは異なり自分で工作するDIYができないのがメッキのデメリットの一つです。
メッキは特殊な薬液や設備を必要とすることから、DIYできません。
材料から道具までホームセンターなどで購入できる塗装に比べて、この点もデメリットになりますね。
時間がかかる
続いては、時間がかかることです。
メタルコーティングと同じようにメッキ業者は、主に大ロット・量産品の製造を主に手掛けています。
そのため、突発的な工作依頼に関しては、材料の手配や製造ラインの調整などで時間がかかります。
一般的には4週間程度が目安になっていますが、余裕を持ったスケジュールで依頼するのが良いでしょう。
デザインの自由度がない
デザインの自由度がないのもデメリットの一つです。
メッキもマスキングテープでの保護はできますが、ネジや接合箇所などに限られていて、母材全面でメッキさるのが基本です。
そのため、塗装のようなメーカー名やラインのようなデザインはできません。
3-2-6.メッキの依頼
HIMAARE BIKEもインナーチューブの再メッキに対応中
当社HIMAARE BIKEは、インナーチューブの再生を承っています。
・インナーチューブチューブ1本から加工依頼を行える。
・30年以上の実績で安心して、依頼できる。
・メッキメーカーへの直接依頼なので、余分な費用はかからない。
・パーツを送れば、全国どこからでも依頼できる。
もし、インナーチューブやアウターチューブのメッキなどでメッキ加工業者をお探しの方は、下のお問い合わせ窓口よりお気軽にご相談ください。
4.カラーリングする上での注意点
4-1.分解組み立て費用
フロントフォークのカラーリングには、分解が必要でそれに伴い費用が発生するので、注意が必要です。
例えば、メタルコーティングでは母材を装置に入れてから、コーティングを行います。
そのため、マスキングができず、フロントフォークを分解して、カラーリングするパーツのみ取り外してから施工します。
そして分解は、バイクショップでおこなうかDIYになります。
バイクショップに分解をお願いする場合、分解の工賃だけでなく、ダストシールやオイルシールなどの消耗品の交換も必要になってくるので、費用も加わってきます。
そして、その費用は3.2万円~が相場です。
→「フロントフォークのオーバーホールにかかる金額とは?業者とDIYを比較」の記事で分解・オーバーホールにかかる金額について、具体的な部品名まで解説してみました。
もし、分解の費用が気になる人は、是非こちらの記事も読んでみて下さい。
また、インナーチューブやアウターチューブの分解(取り外し)費用をおさえたい人には、「フロントフォークのオーバーホール費用を抑えるポイント」の記事がオススメです。
4-2.色合い
カラーリングだけに、色合いについては慎重に確認しましょう。
折角お金をかけてカラーリングするのに、パーツだけでなくバイク全体も自分のイメージと違う印象になってしまったら、後悔してしまいます。
特に塗装は、繊細な色の調整が可能なので、自分のイメージにあった色を色見本と一緒に相談することをおすすめします。
なお、メタルコーティングやアルマイトの色バリエーションは、限られているので、想像力が必要になってきますね。
5.まとめ
以上のようにフロントフォークのカラーリング方法について、紹介しました。
インナーチューブは、オイルと接しているために、カラーリング方法はメタルコーティングかメッキのみに限られてしまいます。
一方で、アウターチューブは、塗装初め、メタルコーティング、アルマイト加工やメッキまでいくつかカラーリング方法が選べます。
ご紹介した特徴やデメリットそして、費用や予算も踏まえて検討してみてください。
フロントフォークをこだわりの方法でカラーリングすれば、より一層バイクにも愛着が出てくること間違いないしです。
もし、メッキでの加工をお考えでしたら、お気軽に当社HIMAARE BIKEまでご相談ください。
こちらの情報は、投稿日時点での情報です。
投稿内容の実施は、ご自身の判断・責任のもとで安全性や有用性を考慮してご利用ください。